「羊SUNRISE」店名に込める思い

羊は人類で最初に家畜された動物という説もある程、人の営みに寄り添った歴史を持つ動物ですが、日本に定着したのは1910年代と国内での歴史は諸外国と比べまだまだ浅く、羊肉としての消費量も羊大国オーストラリア国民の一人当たりの年間消費量9.5kgに対し、日本人の年間消費量は200gと圧倒的に少ないのが現状です。

 

何故これほどまでに消費量が少ないのか?

 

原因は様々ですが、ひとつの理由として挙げられるのは「ジンギスカン」でもあると思います。

1918年、軍需羊毛自給の為に発令された緬羊100万頭計画により国内でも東北、北海道を中心に飼養頭数が増えました。そして、食糧難の時代を迎え羊肉としても食べられるようになりました。

羊肉に免疫の無かった日本人にとって羊肉特有の味わいが受け入れられず、ニンニクや生姜、りんごなどを入れた醤油ダレに羊肉を漬け込み、兜の形をした鉄板で焼いて食べたことがジンギスカンの始まりと言われています。

この食べ方は上記の地方で郷土料理として定着しましたが、関東以西では馴染みが薄く、北海道旅行の際の楽しみとして味わった方も多いはずです。

高度経済成長期に羊肉、羊毛共に輸入自由化の品目に指定されたことから、国内での飼養頭数は激減し、羊肉はオーストラリア、ニュージーランドなどの輸入に頼る時代が始まります。

 

そして、時代は過ぎ2004年。

 

BSEや狂牛病の影響から羊肉が「第四の食肉」として注目を集め東京を中心にジンギスカンブームが訪れます。

2005年90店舗ほどだった都内のジンギスカン屋は半年で200店舗まで増えました。私自身も当時茨城の自宅近くにジンギスカン屋ができ、初めて食べた羊肉の虜になったのが今「羊SUNRISE」を立ち上げた動機となっています。

ブームには終わりがあり、そもそも輸入量、消費量も少ない日本に訪れたブームは品質の良い羊肉が多く出回らなかったこと、鮮度管理のできないジンギスカン屋が増えてしまったことにより、2007年には廃業するジンギスカン屋が後を絶たず100店舗まで減少します。

ブームの後に残ったものは「ラム=固くて、臭い」というイメージでした。

これが、今現在まで国内での羊肉消費量が諸外国に比べ少ない理由になってしまっていると感じています。

 

上記の事由から羊肉は未だに「第四の食肉」として扱われていますが、食肉としての栄養価にも優れ、味わいは国産も海外産も品質が良く、鮮度管理を怠らなければ時に和牛を超える可能性を秘めた食材だと当店では考えています。

 

そして、その正しい評価を得られるツールもまた「ただ肉を焼いて、食べる」という食材の味をそのまま味わうことができるジンギスカンであると私たちは信じています。

 

しっかりと美味しい羊肉を皆様に味わって頂くこと、生き物としての羊や羊飼いの方々の思い、その歴史について出来るだけ丁寧に皆様にお伝えすることで、日本国内における羊肉消費量の増加、国産羊肉の普及に携わることが当店の使命です。

 

長くなってしまいましたが、時代やブームに左右されず「羊に光をあてたい」「新しい羊肉の夜明け」という思いから「羊SUNRISE」という店名をつけました。

日々、麻布十番の小さなビルの3階から想いを発信しています。

ラム、ジンギスカン好きな方も、ジンギスカンブームで羊肉に対して苦手なイメージを持ってしまった方も、是非一度ご来店下さい。

国産羊肉、オーストラリア産ラム、マトン、ソルトブッシュラム。

様々な羊肉をご用意していますので、きっとお好みの羊肉が見つかるはずです・・・。

麻布十番で「羊肉をめぐる冒険」をお楽しみ下さい!